斜陽族の日常

強く生きる!!

{中学生}国語の課題でボツになったやつ{百合小説}

どうもこんばんはBo-Rakuです。

 

最近、国語の先生から「なんかこれまでのやつに基づいて文章かけ^^」と言われたので書きました。(深夜テンションで)

 

ですがあまりにも「月夜の浜辺」とかけ離れていたので先生に相談してボツになりました。

 

ですが人生で初めてというくらい熱中してかいた小説なので捨てるのは忍びなく、ここにおいておきます。

 

最近、「月夜の浜辺」という詩が教科書に載ったらしい。

私達の世代からしてはどうでもいい話なのだが。

だが、なぜか無性に気になった。息子のバッグから国語の教科書を取り出してみる。

なんてことない詩だった。この世に腐るほどあるような。私は正直詩の良さがわからないから、全部同じに見える。

だが、その詩の一節が私にとって興味深いものだった。

「月夜の浜辺に、ボタンが一つ落ちていた。

それを拾って役立てようと僕は思ったわけでもないがー。」
心臓がどきり、と脈打った。
額から汗がたらり、たらりと流れる。

あれは忘れもしない25年前。

私がまだ少女だった頃である。


秋晴れの爽やかな日だった。
お散歩にはピッタリの日である。


道端で何やら見知らぬかわいいお嬢さんが男子からいじめを受けていた。
「やめてっ...やめてよぅ...」
どの女の子は土まみれになりながらも、必死に男子に取られた可愛いリボンを取り返そうと必死にもがいていた。

これは助けねばならぬ。

そう思った。思ってしまった。

まずは注意をひくために、
「ちょっと男子!?」
と叫んでみる。

案の定男子数人がこっちを見た、と同時に、殴りかかってきた。
私は冷静に急所のみぞおち辺りを狙い、男子を成敗した。

元々喧嘩っ早い性格であり、女の子を守ることが多かったため、この程度のことは慣れっこである。

「大丈夫?」

うずくまっていた女の子に声をかける。可哀想に、あんなに必死に取り返そうともがいていたリボンは汚れてしまっていた。

「ええ、大丈夫よ...」

そう女の子は残念そうにいいながら、ぱっと顔を上げて、

「あなた、だれ?」

と言った。

そのときである。私の瞳には、どろにまみれていながらも、可憐で華奢な女の子の姿が目に写った。

脆く触ったら今すぐに壊れてしまいそうな華奢な手足。透き通るような白い肌に、若干ブロンドの混じった髪。そして、吸い込まれそうな瞳。

その瞬間から、私は彼女のことしか考えられなくなった。

「あの、なにかお礼を...あっ」

そして彼女はポケットからボタンを取り出した。

「これ、あげる!お近づきのしるし!」

そうしてきれいなボタンを持って私の手に握りながら渡してきた。

「ありがとう、じゃあね!」

私はその場に立ち尽くした。手にはあの子の白い柔肌の感触とあの子のボタンが、いつまでも残り続けていた。

あとから聞いた話だが、その子は最近東京から引っ越してきた子で名前は、「早乙女かや」と言うらしい。


それから私達は友達になった。毎日のようにあの子の家に遊びに行き、月に何回か遊びに行った。

悩みごとも好きな人のことも全部相談し、されてきた。

青春もした。高校になってすぐに彼氏ができた。メイクもして友達達と何回か東京へ遊びに行っていた。

なのになぜだろう。この満たされない感覚は。

気づいたら四六時中彼女のことを考えている。必死に彼氏のことを考えようとしたが、頭が回らない。

何回か彼氏と夜を共にしてみた。なのに行為の最中も彼女のことを考えてしまっている。

相手があいつじゃなくてあの子だったらどんなに幸せだっただろう、と。

そうこうしているうちに気づいたら10年が経ち、彼女の結婚式の日になった。

偶然にも出会った人同じ、秋晴れの日だった。

女の結婚相手は私じゃなかった。

普通のどこにでもいそうなサラリーマンと結婚した。

決してイケメンでは無いが、何やら堅実で優しそうな男だったことを覚えている。

「かや、結婚おめでとう。先を越されて、悔しいよ。」

「でも高校時代の彼氏とまだ続いているんでしょ!?それって凄いことよ。結婚とかはしないの!?」

正直、かや以外の人間があまり好きではなかった。あの子は私の太陽だ。

「あー。まだ、結婚する勇気がなくて...」

「ふーん。でも、結婚するときは私も呼んでちょうだいね!友人代表のスピーチ、一回やってみたかったのよ!」

彼女は純心無垢な満面の笑みで言った。

「新郎新婦さーん!お写真お取りしますので集まってください!」

遠くから叫び声がした。

「はーい!」

かやはそう元気よく叫ぶと、突然私をギュッと抱きしめた。

そして、耳元でこう囁いた。

「あなた、私のことあの日からずっと好きだったでしょ。わかってるんだから。」

何も聞こえない。

「ねえ、私別の人と結婚したよ。あなたじゃない人と。」

何も聞こえない。

「ねえ、今どんな気持ち?」

 

わたしはただ、かやに抱きしめられている。それだけを感じていた。

 

かやの結婚式が終わり、私は夜道をゆっくり歩いていた。

現在の時刻は11:32分。

今頃彼女はあいつと二人でベッドイン、というところだろう。

もうどうでもいい。

私は、近くの海に来ていた。

くそが。くそが。くそが。

「くそが!!!!!」

別のひょろい男と結婚?ふざけるな。ずっとかやを見ていたのはこの私だぞ。

私はかやの趣味、好きな食べ物、嫌いなもの、得意科目、悩みごと、...好きな人、ぜんぶしってる。

なのになぜ。

なんで。

「ちがうひとをえらんだの...」

どす黒い海よりかはややこげ茶に近いような海に向かってつぶやいた。返事は、なかった。

私はポケットからあの日もらったボタンを取り出し、海へ放った。

なにかに役立てようという気にもなれなかった。が、

衝動的に体が動いた。

気がついたら海に飛び込んでいた。

秋の海といえど深夜だったのでさむく、すぐに体が動かなくなった。

私はこうなりながらもまだ彼女のことを想っていた。

目が覚めたら、病院にいた。

何やら話を聞くと、私が飛び込んだところは水深が浅く、意識を失ったあとすぐに打ち上げられたため無事だったらしい。命拾いした。

医者の質問に何回か受け答えしていると、病室にかやがものすごい勢いで飛び込んできた。

「ちょっと!大丈夫!?」

「ええ。大丈夫よ。」

そう言うとかやはそっと私の手を握った。あの頃のままの白くて柔い肌だった。


「私、心配したのよ。あなたにいくら電話しても出ないんだもの。だからね、あなたのお母さんにこのことを聞いたときはびっくりしたわ。ああ、良かった」

続けて小声でぼそっと言った。

「・・・・・・・・・・・」

耳というのは案外声質が良いもんで、私はその言葉だけはうまく聞き取れなかった。

自分のことを気色悪いと思いつつ、寝ても醒めてもあなたのことを思っている私は、最低だろうか。


ふと、気分が悪くなってきたので彼女はそっと息子の教科書を閉じた。

あれ以来かやには会っていない。電話しても何故か出ないのだ。

あの子の子供はさぞかし美人だろうな、と思った。

「さて、夕飯の支度をしなきゃ。」

あれからすぐ結婚した。そして今は専業主婦として夫と息子二人を支える日々だ。

「ただいま」

夫が帰ってきた。早く帰ってきたらその分早く支度しなければならないので、いつもより早い帰宅に若干苛立ちを覚えるが、彼女は玄関へとおもむく。

「きょうは早かったね。何かあったの?」

「いや...ちょっとね。」

そう言って歩いていた夫のポケットから名刺がはらりと落ちた。

「株式会社ありあけ 神崎 かや」

私は見て見ぬふりをした。

 

秋晴れの日だった。

 

どうだったでしょうか。

見ての通り拙い文章です。

これからも頑張ります

 

ちなみに提出したのはこちら

 

bo-raku.hatenablog.com

 

では